11月6日と7日に、仙台の勾当台公園市民広場で開催された「仙臺鍋まつり」に行ってみました。毎年やっているイベントだそうで、今回は初参戦。普段東京にいるとこういうイベントは「人が多くて…」と敬遠しがちな年齢になってしまいましたが、仙台の街中でやるイベントはほどよい混み具合と聞いていたので行ってみることに。
会場には開始時刻の11時を少し過ぎたくらいに到着。会場にはすでにたくさんの人がいましたが、ほとんど並ばずに飲食物を購入できそうな程度です。しめしめ。
今年の「仙臺鍋まつり」には、宮城県のあちこちから13種類の鍋が集結。地元の特徴的な鍋を、1杯100~200円程度で販売するというイベントです。小ぶりの容器なのでたくさん種類を食べられるのが嬉しいポイント。13種類全部食べるぞ!と意気込んで、まずは利府町の「かき鍋」を購入しました。
仙台味噌仕立ての「かき鍋」は、ちょっぴりお味噌汁のよう。利府町産のかきは小粒で旨味がギュッと詰まっているのが特長ですが、これが3~4個ほど入っていました。かき大好きなので、気分が高まります。
続けて岩沼市から来た「岩沼水神はっと鍋」。はっとは、そば粉でできた薄くて平べったい感じの、そばがきともすいとんともちょっと違うけど遠からずといったもの。これにコンニャク、ゴボウ、キノコ類などと合わせてしょうゆベースのお鍋にしてあります。
次はもうひとつの「かき鍋」。全国的に有名なかきの産地、松島町からの参戦です。こちらは白だし風味のお鍋で、かきもぷっくりと大きいのが特長。利府町とは同じ「かき鍋」でも趣が異なります。
そして大和町の「舞茸汁」。特産品の舞茸と、渓流で獲れた川魚のすり身が入ったしょうゆベースのお鍋です。舞茸いっぱいでかなりうんまい。
続けて多賀城市の「多賀城やかもち鍋」。やかもちというのは、古代米を製粉して白玉粉に練りこんで丸めたお餅のことだそう。それを歌を書く短冊に見立てて切りそろえた大根、にんじん、白菜といった具材を煮て、白だししょうゆで味付けしてあります。“やかもち”は人の名前から来ているのだとか。
これは亘理町の「鮭のあら汁」。地震が起きる前、自分も亘理町にはらこ飯(鮭といくらのごはん)を食べに行ったことがあるので、思い出も含めて感慨深い一品。ここでは「はらこ飯」も一緒に売っていたので購入しました。お昼ごはんにちょうどいい。
まだ続きます(笑)。これは名取市の「ゆりあげ浜やのあんこう鍋」。閖上は朝市で有名な場所ですね。震災後、船がなくなってしまいあんこうが獲れなくなったため、今回は秋田と山形の日本海側で獲れるあんこうを使っての参戦だそうです。身がぷりぷりしておいしい。
七ヶ浜町からは「ボッケ鍋」。特産のお魚・ボッケを使ったお鍋で、この時期は町内の家庭でよく食べられる冬の味覚なのだそう。ボッケの出汁がよく出ています。おまけで肝のせてくれました(笑)。
これは「芋煮」。仙台市から参戦です。もう山形、仙台界隈でこの時期に食べる風物詩といったら「芋煮」で間違いないですね。それほど大きな特長があるわけではないですが、ほっとするおいしさで温まります。
塩竃市は、タラの切り身と、サンマのつみれを入れ、シンプルに塩竃の藻塩で味付けしたあっさり鍋「藻塩入り塩竃汁」。ビジュアルもシンプルですが、潮汁のような、出汁がおいしいお鍋でした。
ここまで来るとさすがにお腹いっぱいでしたが、最後に…と、富ヶ谷町の「十三夜吟醸鍋」を。13種類の具材を津賀田お鍋で、宮城県内最古の造り蔵「内ヶ崎酒造店」の大吟醸をベースにしているそうです。
残念ながら大郷町の「モロヘイヤしんこ餅鍋」と、大衡村の「キムチ鍋」はおなかいっぱいで断念。悔しい!でもよく食べました(笑)。満腹です。
最後にどのお鍋が美味しかったのか、投票を行います。最近はこの手の投票流行ってますね。
ほどよい混雑具合で、お昼時でもこれだけ食べられるので大満足。しかも安くて美味しいので、とても楽しいイベントでした。また来年もタイミングがあえば仙台行こう!
ちなみに、優勝したのは大本命と目されていた松島町の「かき鍋」……ではなく、初参戦の「岩沼水神はっと鍋」だったそうです。おめでとうございます!