1928年から三重県の津にある格調高い洋食の名店、東洋軒。東京の赤坂見附にもお店があって、名物のブラックカレーを先日食べてきました。
自分の世代ですとブラックカレーという名前からは某料理バトル漫画で出てくるちょっと蠱惑的すぎるカレーを思い出すわけですが、果たしてどんなお味なのか。
赤坂の車通りの多い場所にありながら店内はとてもしっとりとした上品な雰囲気。ブラックカレーをお願いすると、それほど待たず給仕されてきました。
黒い。実に黒い。そしてブラック。アラジンに出てくるランプみたいな容器グレービーボートの中で黒々と輝いているブラックカレー。早速ご飯の上に掛けてみることに。
白と黒のコントラスト。掛けてみる時にわかったことですが粘度は高い。三週間かけて松阪牛と小麦粉・玉葱などをじっくり炒めるのでかなりカラカラさせることでこの黒みになるそうで、なるほどという粘度。
一口食べてみると、これが想像以上に美味しい。粘度が高いためこってりした味を想像していたのですが、まったくそんなことはない、でも凝縮された味が口の中に広がる今まで全く食べたことがないカレーです。
今まで相当のカレーを食べてきましたが、まだまだ新しい味がある。奥深い。牛肉や玉葱の甘みが溶け込んだエッセンスが詰まった深い味なのですが、決して脂が強いわけでもなく、カレーも上品な辛みで品を保っている。一つの到達点といえるのではないか、そう思えるカレーでした。何度も通いたいなぁ。