セントルイスには、1859年に創立されたミズーリ植物園(Missouri Botanical Garden)があります。32ヘクタールという大きな敷地内には北米では最大の日本庭園があり、9月の初めには日本をテーマにしたお祭りがあったりと、市民の憩いの場となっているのですが、この植物園にはもうひとつ、世界中の植物を対象にした研究機関という役割もあります。
そのミズーリ植物園の図書館には、歴史的な書籍も沢山コレクションされていて、なんとチャールズ・ダーウィンが進化論を発表した「種の起源」(1859年出版)の初版も所有しているのだそうです。そんな、レアな秘蔵コレクションが保管されている図書館の特別室へ、先日訪れる機会がありました。
まず館員の方が見せてくれたのは、15世紀の植物図鑑。活版印刷技術の発明者、ヨハネス・グーテンベルグが活躍した時代に印刷された本なんだとか。木版画による植物の挿絵は素朴で愛らしいものがあります。
その本から次第に時代を追った順番、ヨーロッパで出版された図鑑を色々と見せて頂きましたが、木版画から銅版画へ印刷素材が移行し、さらにエングレービング技法やエッチング技法の違いによる画風の違いなど、印刷技術に基づいた説明をしてもらい、貴重な植物の絵画を目にしながら、印刷の歴史も学べるという、楽しい時間を過ごすことが出来ました。