何かとトラブルも報じられている「Airbnb」(民泊サービス)と「Uber」(配車サービス)ですが、最近、両方使う機会があったので、個人的な感想をお伝えしたいと思います。
今回「Airbnb」を使用したのはニューヨークで、ブルックリン区のアパートメントを1軒貸切りました。こちらが「3人」という中途半端な人数であったため、ホテルの客室2室を予約するよりも出費が安く済み、また、アパートメントを丸ごと貸切るほうが便利だと感じたためです。
結論からすると、アパートメントを探すのに多少苦労したものの、快適な滞在となりました。室内は2階建てになっており、ベッドルームは3室、キッチンやリビングも広々としており、3人でも有り余る広さ。ニューヨークのホテルで同様の広さの客室を予約するとしたらかなり出費がかさむのと、そもそもこんな広い客室を探すこと自体困難だと思います。多人数の旅行者、長期滞在者こそ「Airbnb」の恩恵にあずかることになるかもしれません。
問題点をあげるとすれば、ベッドメイキングは自分でやらないといけない、滞在中の
タオル交換がないことなどがあげられますが、4、5日の滞在であれば個人的には気になりません。海外の慣れない土地ということで、滞在前はセキュリティ面で不安を感じていましたが、こちらもいらぬ心配でした。
一方、「Uber」はニューヨークとロサンゼルスで頻繁に利用しました。ニューヨークもロサンゼルスも中心部であればどこでもタクシーをつかまえることができるのですが、郊外では必ずしもそうではありません。そんな時、「Uber」は本当に役立ってくれました。地図上で自分の現在地を指定し、あとは目的地を指定するだけ。料金は配車前に提示され、支払いも現金ではなくクレジット払いなので、ぼったくられる心配はありません。少なくとも自分がお世話になったドライバーは皆親切で、乗れば乗るほど「Uber」ファンになっている自分に驚いたほどです。
「なぜこんなに利用勝手が良いのに日本では広まらないんだろう?」と不思議に思ったのですが、理由はいくつかあるようです。帰国後、日本で「Uber」を試しに開いてみたものの、まず料金がタクシーと同等か、それよりも高いこと。アメリカではタクシーの半額近い料金で乗車できることもあったため(長距離の場合)、日本で魅力が半減するのは当然でしょう。現状、日本における登録ドライバー数が少なく、「Uber」が本来持つサービスを十分享受できるレベルに至っていないんだと思います。
また、登録ドライバーが少ないことは配車もスムーズに進まないことを意味します。アメリカでは配車を確定すると、それこそ数分でピックアップに来てくれましたが、日本では10分以上かかることもあり、それだったら近くにいるタクシーを選ぶのが普通ではないでしょうか。
ただ、セキュリティに関しては、僕個人の意見では、「Uber」も普通のタクシーも同レベルだと感じています。日本では「Uber」のほうがタクシーよりも危険と思われている節がありますが、海外では必ずしもそうとは限りません。海外では、タクシードライバーにも悪意を持つ人は数多く混じっており、少なくとも自分が訪れて来た国ではタクシードライバーのほうがわざと遠回りしたり、過剰なチップを請求してきたりと、トラブルに巻き込まれる率が高かった気がします。その意味では「Uber」の方が顧客による評価制度がしっかりしている分、配車を確定する前に事前に評価の悪いドライバーを避けることもできるため、かえって安全だと感じました。タクシーだと手を上げて止めてしまったら、そのタクシーに乗るしかありません。実際に顔を見たら超怖そうな人で乗りたくない……海外あるあるです。それに、タクシーの場合、何か不満があって、下車後にタクシー会社にクレームをいれたところで、“乗客の意見が反映されるのかどうか“定かではありませんし……。
と、このようにいろいろと考えさせられた「Airbnb」「Uber」ですが、やはりサービスを利用する場所、“お国柄“というのが大きく影響してくるのだと思います。そのため、一概に良い悪いを判断することは難しいと感じた反面、使い方によっては旅行者を強力にバックアップしてくれる便利なサービスだと実感できました。