1年に1度くらいは美味しいお店で豪儀に食べたいなということでこの間、名店Passage53に行ってまいりました。
ウニです。ウニだけでなくて、スケソウダラのムースやデュルスという赤い海藻のジュレがかかっていて、たくさんの味がするのですが、でも、はんなりとした味わいなのでとてもすばらしい前菜です。フランス料理で一番好きなのは実は前菜なのですがまたひとつ好きな前菜ができました。
定番の「しろ」というお料理でカリフラワーやイカなどを使っている大変味わい深いお料理。新しいカメラになって初めて食べるので、ちょっと撮ってみましたが、きっちりと写っていて嬉しいです。
ホタテ。ちりめんキャベツやセルフィーユが散りばめられていて緑が優しい感じで、そこにアサリのエキスたっぷりのソースと柚子やディル、タラゴンなどの香りものを加えて非常に華やかな雰囲気のする料理でした。器にも特徴があってずいぶん高さのあることで芸術作品かとも思ったり。
あわび。お魚はヒラメです。あわびは6時間蒸されたもので、それを肝のピュレやイカスミのクスクスでアクセントをつけながらいただくのですが、ものすごく和風の旨味を感じるお料理でした。個人的にフランスで初めてあわびを食べたのですけれど、こういう美味しいものを食べてしまうとなかなか次食べに行けませんね。
ブレス鶏はPassage53ではよく食べさせてもらえるのですが、ジュラという地方のの黄色ワインを使ったソースに黄かぶや香り高いじゃがいもが付け合わせという新しい色、新しい味で色彩感覚豊かだなと。
そして白トリュフ。この一皿が1週間分の食費と同じ値段で頼むまでにずいぶん時間を掛けました。香りの高さを楽しむ料理なので、その楽しみ方は打ち上げ花火の一瞬の美しさを愛でるようなそんな味なのですが、いやぁ贅沢したなぁと。
鹿肉にクレームドカシスのソース。付け合わせは芽キャベツとチョリソ、トピナンブール、キクイモのコロッケ。コロッケおいしかったです。イタリアのクロケッタを思い出しました。
デザートはリンゴの飴、ソルベ、生、タルトタタンというリンゴ尽くしの一皿とライチのゼリー寄せとレモンパンナコッタ。バナナをいれた爽やかな甘さのモンブラン。
大変贅沢してしまいましたが、1年に1度くらいは名店の本気を受け止めて明日への糧としたいな、また来ようと決意するのふさわしい一時でした。